活性酸素とは何か?

活性酸素とは活性化された酸素のことで、フリーラジカルともいいます。空気中の酸素はO2で安定しておりますが、活性酸素はマイナスの電子を持っているため、自分が安定しようとして、プラスの電子を持った相手細胞(細胞膜やDNA)から電子を取ろうとします。取られた細胞(細胞膜やDNA)は傷つけられ酸化(老化)や病気の始まりに変化します。これが毎日3000個から5000個発生します。

この活性酸素が良い方向に働く例としては、感染症にならないように防いでくれます。しかし必要以上に活性酸素ができてしまうと、逆に正常な細胞(細胞膜やDNA)、細胞膜さらにはDNAに攻撃をかけ、破壊するような行動をとります。

また脂質をも酸化(過酸化脂質)してしまうので、いろいろな病気を誘発したり、症状を悪化させたりします。
このように活性酸素は体内で良いことも悪いこともしています。

活性酸素は呼吸によって体内に入る酸素の2%がエネルギー発生の時に活性化して発生すると言われています。
さらに活性酸素は、排気ガス、化学薬品、農薬、水道水のトリハロメタン、食品添加物、放射線、紫外線、喫煙、ストレス、怒り、不安、恐怖などの激しい感情、暴飲・暴食などでも発生します。
活性酸素は起きている時でも寝ている時でも常時発生していることになります。

このように常に発生しているにも関わらず、長生きできるのはこの活性酸素を取り除いてくれる酵素を持っているからです。この酵素はSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という酵素です。

SODが働くと活性酸素(SO)は除去されるかわりに、今度は過酸化水素(H2O2)が発生します。この過酸化水素は弱い活性酸素なのですが、寿命が非常に長く、体の中をあちこちうろつき回ります。それと同時に1価の銅イオンまたは2価の鉄イオンにぶつかると、最強の活性酸素ヒドロキシルラジカルに変身します。
しかしこのヒドロキシルラジカルの元となる過酸化水素を除去する酵素も人間は持っています。その酵素がカタラーゼやグルタチオンペルオキシターゼです。

このように人間の体はこの活性酸素をうまくコントロールできるようなシステムになっています。そしたら言うことないではないかと思われますが、それほど手放しでは喜べません。

SODという酵素は、40歳を過ぎると急激に減少してきます。これは成人病年齢と比例しており、SODが少なくなることと密接な関係があることを示しています。